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コラム

キャットシッターとは?仕事内容・必要な知識・向いている人を解説

旅行や出張、入院などで家を空けるとき、猫の預け先に悩む飼い主は少なくありません。犬に比べて環境の変化に敏感な猫は、慣れない場所に連れ出されること自体が負担になりやすい動物です。そこで選ばれているのが、猫がいつもの家で過ごしたまま世話を受けられる「キャットシッター」という働き方です。

SOPRAグループは銀座を拠点に、犬の幼稚園、トリミングサロン、ペットホテル、ペットシッターサービスを運営し、SOPRA ACADEMYで人材育成にも取り組んでいます。ペットシッターの依頼の中には、猫のいるご家庭からの相談も寄せられます。この記事では、ペットシッター全般の話ではなく、猫を担当するときに特有の仕事内容、必要な知識、向いている人の特徴に絞って解説します。

キャットシッターとは:猫の「縄張り」を守りながら世話をする仕事

キャットシッターは、飼い主の不在中に家を訪問し、食事や水の用意、トイレ掃除、健康状態の確認などを行う仕事です。ペットシッターの一形態ですが、対象が猫になることで、仕事の考え方が大きく変わります。

犬の場合、散歩や遊びを通じて一緒に過ごす時間そのものが世話の中心になりやすい一方、猫の場合は家という縄張りの中で、いつも通りの生活リズムを保つことが中心になります。猫にとってシッターは、自分の縄張りに入ってくる見知らぬ存在です。そのため、存在感を控えめにしながら必要な世話を確実に終える、という独特のバランスが求められます。

訪問1回の基本的な流れはペットシッター全般と共通する部分も多いため、全体像はペットシッターの仕事内容もあわせて参考にしてください。

【SOPRA ACADEMYコラム】

犬の幼稚園では、ほかの犬や人との関わりを通じて社会性を育てることが日々の中心になります。一方で猫の世話は、発想がほぼ逆になる場面が少なくありません。関わりを増やすことより、猫が自分のペースで過ごせる状態を崩さないことが優先されます。犬と猫の両方に関わる現場ほど、この違いを意識して切り替えることが求められます。

キャットシッターの仕事内容:猫ならではの5つのポイント

1. 姿が見えなくても「いる」ことを確認する

猫は知らない人が来ると、押し入れやベッドの下、家具の隙間などに隠れることがよくあります。訪問中に一度も姿を見せないことも珍しくありません。それでも、無事を確認しないまま帰るわけにはいきません。事前に隠れ場所の候補を飼い主から聞いておき、無理に引き出さずに姿や呼吸を確認する方法を決めておくと安心です。

2. 食事・水・トイレを「健康の記録」として見る

猫は体調の変化を表に出しにくい動物です。そのため、フードの減り方、水の減り方、トイレの尿や便の量と状態が、健康状態を知る重要な手がかりになります。特に、食べていない状態が続く、トイレで何度も力んでいるのに尿が出ていない様子がある、といった変化は、早めに獣医師へつなぐべきサインとして扱います。どの段階で飼い主や動物病院に連絡するかを、契約時に取り決めておくことが欠かせません。

3. 脱走を防ぐ動線を意識する

猫の世話で特に注意したいのが、玄関や窓からの脱走です。ドアを開けた瞬間に足元をすり抜けることもあるため、出入りの前に猫の位置を確認する、玄関に入ったらすぐに扉を閉める、換気で窓を開けないといった基本を徹底します。鍵の管理や緊急時の対応については、ペットシッター開業時の注意点でも詳しく触れています。

4. 室内の危険を見落とさない

猫は高い場所にも入り込めるため、犬よりも室内の危険箇所が広がります。飼い主が片付け忘れた輪ゴムや糸、薬、観葉植物などにも目を配ります。ユリ科の植物のように猫にとって危険性が指摘されているものもあるため、気になるものがあれば飼い主に確認し、判断に迷う場合は獣医師への相談を勧めます。

5. 多頭飼育では1頭ずつ把握する

猫を複数飼っている家庭では、「フードが減っている」だけでは、どの猫が食べたのか分かりません。食器の置き場所や食べる順番、トイレの使い方など、1頭ずつの様子を把握する工夫が必要です。見た目が似ている猫がいる場合は、写真で見分け方を共有してもらうと取り違えを防げます。

【現場でよくある相談】

「うちの猫は人見知りなので、シッターさんが来ても隠れたままだと思います。それでもお願いして大丈夫ですか」という相談は、猫の飼い主からよく聞かれるものの一つです。隠れること自体は、猫にとって自然な反応です。無理に触れ合おうとせず、食事やトイレ、室内の様子から状態を確認し、その内容を飼い主に報告する形で十分に世話は成り立ちます。訪問を重ねるうちに、少しずつ姿を見せてくれるようになる猫もいます。

キャットシッターに必要な知識

猫の行動とストレスサイン

耳の向き、しっぽの動き、瞳孔の開き方、体を低くする姿勢など、猫は体の小さな変化で気持ちを表します。こうしたサインを読み取れると、触れてよいタイミングと距離を取るべきタイミングを判断しやすくなります。犬と同じ感覚で近づくと、猫にとっては強いストレスになりかねません。

食事と栄養の基礎

猫は食べ物へのこだわりが強く、フードの種類や与え方が変わると食べなくなることがあります。飼い主の指示どおりに用意することはもちろん、なぜその食事なのかを理解しておくと、異変にも気づきやすくなるでしょう。犬猫栄養学の知識は、こうした判断の裏づけとして役立ちます。

シニア猫や持病のある猫への配慮

高齢の猫や持病のある猫を担当する場合、投薬や食事制限などを依頼されることがあります。投薬は獣医師の指示と飼い主との取り決めの範囲に限り、自己判断で量や方法を変えないことが前提です。体調の変化に気づいたときに誰へ連絡するかも、事前に確認しておきます。

こうした猫特有の知識をまとめて学ぶには、キャットケア講座が土台になります。

【SOPRA ACADEMYコラム】

ペットホテルの現場では、家とは違う環境に置かれた動物が、食欲や排泄のリズムを崩す場面に出会うことがあります。環境の変化が体調に影響しうることを知っていると、「いつもの家で過ごせる」ことの価値が見えてきます。SOPRAグループでは、動物にとって負担の少ない過ごし方を、預かりと訪問の両面から考えることを重視しています。

キャットシッターに向いている人

  • 「構いすぎない」ことができる人:猫が近づいてこなくても気にせず、自分の役割を淡々とこなせる
  • 小さな変化に気づける人:フードの残り方やトイレの様子など、細部の違いを見逃さない
  • 記録と報告を丁寧にできる人:写真や文章で、飼い主が安心できる報告をまとめられる
  • ルールを守れる人:脱走防止や投薬の取り決めなど、決められた手順を例外なく守れる
  • 猫以外の動物にも関心を持てる人:犬と猫を同時に飼う家庭もあり、両方の知識があると対応の幅が広がる

犬の世話が得意な人が、そのまま猫の世話にも向いているとは限りません。反対に、犬のような分かりやすい反応を求めず、静かに見守ることが苦にならない人は、猫の担当で力を発揮しやすい傾向があります。

キャットシッターとして働く方法

働き方は、ペットシッター会社やペットサービス事業者に所属する方法と、個人で開業する方法に大きく分かれます。個人で有償の訪問サービスを行う場合は、第一種動物取扱業「保管」の登録が必要になり、事業所ごとに動物取扱責任者を置く必要があります。どの資格が責任者の要件として認められるかは自治体の判断によるため、事前確認が欠かせません。

収入は、雇用か独立か、担当件数、地域、訪問1回あたりの時間などによって幅があります。猫の世話は長期休暇の時期に依頼が集中しやすいため、繁忙期と閑散期の差も考えておく必要があります。まずは所属して経験を積み、猫の扱いに自信がついてから独立を検討する流れが現実的です。ペットシッター全般の基礎は、ペットシッター講座で体系的に学べます。

よくある質問

Q. 猫を飼った経験がなくてもキャットシッターになれますか?

なれます。ただし、猫の行動や健康管理の知識は、飼育経験がない場合ほど意識して学ぶ必要があります。講座などで基礎を固めたうえで、経験者の同行などを通じて実際の家庭での世話を体験しておくと、ひとりで担当する際の不安を減らせます。

Q. 猫の世話は1日1回の訪問で足りますか?

猫の年齢や健康状態、頭数、飼い主の希望によって判断が変わります。食事の回数が多い子猫や、投薬が必要な猫、体調に不安がある猫では、訪問回数を増やす提案が必要になることもあります。事前の打ち合わせで猫の状態を確認し、飼い主と相談して決めるのが基本です。

Q. 猫アレルギーがあってもキャットシッターはできますか?

症状の程度によります。猫の家では毛やフケに触れる機会が多く、症状が強い場合は仕事を続けにくくなることがあります。医師に相談したうえで、担当できる範囲や働き方を見極めることが前提です。

まとめ:猫の「いつも通り」を守る専門職

キャットシッターは、猫が住み慣れた家で安心して過ごせるように支える仕事です。姿が見えない猫の無事を確かめる、食事やトイレから体調の変化を読み取る、脱走や室内の危険を防ぐなど、猫ならではの判断が数多くあります。構いすぎずに見守り、小さな変化を丁寧に報告できる人ほど、飼い主と猫の両方から信頼を得やすくなります。

SOPRA ACADEMYでは、一般社団法人JPLC認定の講座として、キャットケア講座やペットシッター講座、犬猫栄養学講座を用意しています。ほかの講座は講座一覧から、学ぶ分野を整理したい方は資格選びガイドをご覧ください。